ひかり
二年前函館に行ったとき
物販が終わりそうになった頃
恥ずかしそうにこちらを見ながら
女子に小突かれている男の子がいた。その子は中学一年生!って感じで、制服がまだ大きくて、私よりも身長が低かった気がする。
そして
遠慮がちに私の前に来て
「サインください」
と、緊張した顔で言う。
周りの女子に
「(男の子の)名前も書いてもらいなよ!」
と言われているので
名前は?と聞いて、名前も書いた。
部活でトロンボーンを吹いているらしい。
直接会っての会話はそれっきりで
、
その当時あった、ブラスタのSNSで、たまーにメッセージがくるかな、位。
それが去年の地震の時、彼からメッセージがきて
こちらを気遣いながら、函館の被災状況を教えてくれた。
その時私が思ったのが、彼は生きてた、だった。
SNSは無くなったのでそれっきり連絡がつかずにいたけど
今回函館に行く、というので、漠然と、その子が放課後プロジェクトに参加してくれてないかな?
とか、
会えるかな?
と、思って函館芸術ホールに着いた。
放課後プロジェクトでは、応募があった学校の合同だったので、ちょっと期待してたが、二年前の少年は居なかった。
放課後が終わって、ブラスタのリハをしているときに、客席に若いスタッフさんみたいな子が二人座ってるのが見えたが、その近くに先程の合同演奏してくれた中学生の子が座っていたから、
迎えを待つ子たちなのかな、と思っていた。
その中学生が帰ったあとも、若いスタッフさんは残っていたので、ホールの関係者かな、と思いながら、ホールを出た。
それからホールの大人の方々と交流を兼ねて食事へ。
ホールの方と話をしていて、
「最近照明がやりたいという男の子が居て、今日も手伝ってくれてるんです。」
という話になった。
私は、現地の人なら知ってるかも、と思って
「私も函館で忘れられない子がいて、男の子なんですけど」
と返し、その子の話へ。
名前を書いたから覚えていて、
名前を言うと
なんと
「その子だ!!!」
まさかでした。
「今日もずっと居たんですよ、会場に」
私たちのリハをずっと聞いてた若いスタッフさんは、彼だった。全く、気づかなかった。
彼は、二年前のブラスタライブ後、人に光を当てる仕事、に興味を持ち、
芸術ホールでの照明の手伝い兼修行、を今しているそうで
そして、今回ブラスタが函館に来るということで
「やります」
と
照明さんのお手伝いをしてくれた。
あんなにちっちゃくて、恥ずかしそうにしていた少年は
背も高くなって
立派に成長して
自分の夢を叶えるために
大人の世界へ飛び込もうとしていて
それってすごく
私が嬉しくて
来年から高校へ行って
もっとたくさんの様々な世界や価値観を知っていくんだろうな
と、記念撮影を終えて
「なにか手伝う事はありますか?」とホールの人に聞く彼らの背中を見て
とても頼もしく思えました。
いつか
彼が大人になって照明さんになっていたら
仕事として、一緒に舞台を作りたい。
それにしても、芸術ホールの照明はホントすごかったぁ!!
魂感じる照明でしたよ。
本当に良い、現場、空気でした。
どうもありがとう、函館の皆さん。
また明日。
★☆もさこ☆★